第3回「水と持続可能な社会づくり~流域圏思考から国際連携~」

開催日:8月30日(水)18:00~20:00
 
場 所:中部大学名古屋キャンパス 510教室
 
講 師:山田雅雄(名古屋市立大学教授、元名古屋市副市長)

成果報告

8月30日に第3回講座が中部大学の名古屋キャンパスで行われました。
演題は「持続可能な流域圏」でした。

 資源やエネルギーの問題、環境の問題などを持続可能な状態にしていこうとする際、これらの使い方や教育の仕方などの社会的システムを変えていかなければならない。今回は、地域の水の分野についてトランスフォーマティブなやり方についてお話頂く。

<第1部 講演>
 山田雅雄(元名古屋市副市長)先生による講演が行われた。
はじめに、現役時代に感じた課題として以下の3点が述べられた。1つ目は木曽、飛騨川、長良川、揖斐川それぞれの上流において過疎対策が急務である事。2つ目は過疎対策を行う際に、上流域の中でもリアクションが良い(やる気の強い)自治体の方へ、下流域のベクトル(注意する方向)が集まる傾向にあり、より広範囲な流域での支援関係の形成が必要な事。3つ目は官民による過疎対策支援は、行政間の連携による、官民の活動の取りまとめが重要な役割を持つ事。
 これらの解決策の1つとして、地域間の交流連携により、持続可能な流域圏を目指すということを提案したい。流域圏全体における気候変動、生物多様性、産業振興、防災災害対策などの様々な課題と共に中山間地の過疎対策や地方都市の衰退対策を流域全体の問題として取り扱い、流域全体で問題を考えて解決していく方策である。


<第2部 グループ討論>
 ファシリテーター役の塾生が考えた2つのテーマに沿って、グループ討論が行われた。
テーマ1「緑の管理と都市の緑化に関して
○問題点:川という流域と経済がうまく結びついてない点
○解決案:水を受けている恩恵をコストとして算出すること。
 
○問題点:木を切ってソーラーパネルを置く場所が出来るのは本末転倒であるという点
○解決案:一連の中でストーリー性を持たせて、流域の中で緑を守っていくことが大事ではないか
 
テーマ2「下流域から上流域への支援について
○問題点:過疎対策と支援する内容について
○解決策:上流の地域で使える通貨やクーポン券を発行し、下流域の人たちが利用する
     下流域の方々が移住等をする際、土地の無償提供をすることにより、産業の起点にもなっていく
     3Dプリンターの材料として木曽ヒノキを使うことをプラン化する
     ふるさと納税と豊田市の車、それぞれの強みを生かしたお金と物質的な交換

講師の山田雅雄先生




                 




司会をする塾生




グループ討論のようす




模造紙を使って発表する塾生