第4回「土岐・庄内川流域圏の持続可能性を考える」

日時:2024年1月20日(土)~21日(日)
集合場所:千種駅ロータリー

概要:
 このフィールドワークでは、岐阜県恵那市から愛知県名古屋市を流れる土岐・庄内川を上流から下流まで視察・訪問し、土岐・庄内川流域圏のサステナビリティを考えました。このフィールドワークは、2日間にかけておこなわれました。第一日目は、主に岐阜県内を中心に上流と中流を巡り、二日目は、上流から下流へと巡りました。

プログラム:
【20日】
08:30 千種駅 集合・出発
09:00 高蔵寺サイホン(愛知用水の水道橋視察)
10:30 瑞浪市化石博物館(環境学習)
11:20 瑞浪市陶磁資料館(地域資源学習)
12:00 中部大学 研修センター(恵那キャンパス視察)
14:00 駒宮 博男 氏 宅(庄内川上流の課題)
16:00 岩村醸造(恵那の歴史と特産品)
17:30 コテージこもれび(宿泊)

 見学は、高蔵寺サイホン及び水道橋から始まりました。愛知へ水を送る愛知用水は、様々なものを横断しており、庄内川の上も横断しています。サイホンがある春日井市より上流(岐阜県)は、庄内川を土岐川と呼びます。
上流である岐⾩県瑞浪市では、瑞浪市化⽯博物館と瑞浪市陶磁資料館へ訪問しました。化石博物館では、瑞浪が海であった頃の化石が多数展示されています。また、化石博物館に隣接する陶磁資料館では、館⻑による陶器をめぐる土岐・庄内川流域の関係についてのお話しがありました。上流を目指し、中部大学研修センター恵那キャンパスにおける森林資源の利活用に関する視察をおこないつつ、土岐川の源流地帯のお近くにお住まいである駒宮⽒宅へ伺いました。駒宮氏は、様々な活動をおこなっており、自治体に関する事もそのひとつです。お住まいの三郷町の魅⼒や⾃治体の課題、基盤的な経済学についての貴重なお話しを頂きました。その後、水質が重要になる日本酒造りを学ぶために岩村醸造へ訪問し、地域資源について学び、宿泊先である自然に囲まれたコテージこもれびで、フィールドワーク一日目は終了しました。


【21日】
08:30 コテージこもれび(流域圏課題の確認)
10:00 枡五寒天商会(上下流の資源循環)
10:20 やまおか木の駅(地域資源学習)
10:50 庄内川(土岐川)源流地帯(水源地の視察)
12:00 野田農場・才井戸流れ周辺(生物多様性学習)
14:30 水分橋~三階橋(三階橋周辺のまちづくり学習)
16:00 藤前干潟活動センター(生物多様性学習)
17:00 食料品店マイブラジル(ブラジル人向けスーパー視察)
19:00 新栄(多文化共生学習)

 二日目は、宿泊施設で流域圏課題の確認をおこなった後に出発しました。恵那市は山に囲まれていますが、海で採れた天草でつくる細寒天の生産量は日本一です。寒天の製造をおこなっている枡五寒天商会を訪問後、地域資源循環プロジェクトがおこなわれている、やまおか木の駅を見学し、夕立山にある土岐川の水源地の視察をしました。下流へと向かいつつ、野田農場、才井戸流れ、水分橋を見学しました。野田農場は、名古屋市に残された数少ない農地です。周辺の農地と豊かな自然を守るためにおこなっている活動について、お話しを聴きました。農場の近くにある才井戸流れには、湧水が流れる湿地と森があります。水分橋の脇には、かつて船運と用水を目的に掘られた堀川の取水口があり、名古屋の町づくりの基礎の一つです。その後、庄内川の河口部にある藤前干潟活動センターにおいて、ラムサール条約(湿地に関する条約)に登録された藤前干潟について学びました。土岐・庄内川が発展の要素である名古屋の多文化共生を学ぶため、食料品店マイブラジルと新栄へ向かいました。マイブラジルは、名古屋市港区にある外国人の多く住む団地にあります。名古屋市中区の新栄は、映画『フィリピンパブ嬢の社会学』の舞台になった場所であり、原作者の中島弘象氏による案内がおこなわれました。土岐・庄内川流域圏の社会・経済・環境を広く学び、フィールドワークは終了しました。